JR茅野駅南口から見たところ。デパートが撤収し、そのフロアを市が買い取り。それだけでは単なるハコモノですが、その設立までには市長の構想、市民参画による設計、運営などすばらしい内容が隠されていました。
エスカレーターを上りながら撮影。子ども館は「0123(おいちにっさん)という保育所以前の子どもたちと親が過ごす場所、その奥に後から出てくる中高生たちのための居場所「チノチノ」など5つの広場で構成されています。
0123(おいちにっさん)の玄関。靴脱ぎはやさしく、広くて明るい雰囲気です。
入ってすぐのところにミーティングスペース。この右側が事務所となっています。子どもと親とが遊ぶ場所としてだけでなく、保健師さんや保育士さんが各種相談にも乗ってくれる場所。
全館、清潔な感じ。毎日100組の親子が訪れるとのこと。遊具はボランティア団体などが自主的に寄付してくれるそうです。
子どもの年代や関心によって、親は自由にいろいろな空間を選んで遊べます。「ごみ、おむつなどは、家まで持ち帰りましょう」
仲間づくり、情報交換の場ともなっています。乳児の背中には名前のワッペンが。
休館日は毎週木曜日と年末年始。
初めての利用のとき、会員登録をします。現在約1万人が登録。これは県外から里帰りをしたときにも利用する人がいるからです。
「ここは天井のある公園です」と、熱心に説明をしてくださる茅野市長の矢崎氏。軽妙な語り、スラスラと出る数字データ。自信のほどが伺われます。あるお母さんからのメールで「茅野市に引っ越してきたけれど雪が多く、外に出たい子どもを出してやれない。私も育児ノイローゼになりそう・・・」との一言が決断に。
えほんコーナーなど、静かな空間が必要な場所は区切られていて、利用者の側に立った配慮がなされています。ファーストブックとして、3歳までに出会わせたい絵本300冊を準備。
手入れのゆきとどいたおさかなの水槽。私も童心に帰ってしまって・・・
おひるねコーナーおっぱいコーナーなどもあります。市民参画で設計し、市民のボランティアも得て運営されています。「役所が作ったらつまらないものになる」と市長。利用者がどんどん便利に快適に、作り上げていく雰囲気です。
いちばん奥のコーナーに食べたり飲んだりできるスペース。
説明書より「オープン当初は、テーブルが汚れても平気、子どもをみれば、食べ歩き、飲み歩きといった姿があちこちで目に付きました。出てきた課題をひとつ、ひとつ利用者に返すことで利用者みんなの問題として気づかせ、どうしていったら子どもにとってよいかを考えてもらいました」
おまけ。
水槽にはウーパールーパーがのんびり。
癒されます。
ここからは0123に並んでいる中高生のための居場所「中高ランドチノチノ」です。
靴を脱いで受付カウンター。いかにも親しみやすいムードが漂っています。夜7時まで利用できます。
ちょうどそこに女子中学生たちが、やってきました。
「あっ、矢崎市長だっ」
「今日はオトナたちがたくさんいるけど、許してな」
市長は子どもたちにも人気のようです。
多目的スペース。奥のダンス室との仕切りをはずせば200uの空間になります。中高生たちも設計に参加した、満足のいくつくりになっています。オープンセレモニーも子どもたちが主催。市長は来賓で招かれたそうです。
多目的スペースに続くダンス室。ここと音楽室は夜9時までの利用が可能。チノチノの命名ももちろん子どもたち。コンセプトは「夢や希望をかなえる場」。大人たちによる「サポート委員会」もあるそうですが、子どもたちから声がかからないと「大人たちの出番はない」とのことです。
学習室。個人用学習テーブルが12台。
バスや電車を待つひととき、静かに学習ができます。
説明書ではクラフトルームという名称の小部屋。木工、洋裁、工芸などの機材もそろっているようですが、この日は卓球台が登場していました。手前は食堂ですが、こちらからオープンに窓が開いているこうしたレイアウトは気が利いていますね。
食堂から入口の方を見たところ。飲食はここだけで。
壁のさりげない書架ラックもしゃれていて、くつろいだ雰囲気。
簡単な調理もできるキッチン付き。
奥に進むと防音完備の音楽室が2室。ドラム、キーボード、アンプも準備。2つの音楽室をはさんで編集室も。ここではPCで音楽編集も可能。
おまけ。
さっき入口でいっしょになった女子中学生たちは、これからバンドの練習をしに来たのでした。
「おっちゃんもドラムやってるんやで」と模範?演奏を・・・

茅野市こども館

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